アケぴー

「アケぴー、口の中でダンゴムシを飼ってみたいんだ」

次の正月に発表する獅子舞を縫いながら

アケぴーは呟やく

「ほら、口のなかって暗くて湿ってるじゃない?石の下と同じで」

獅子舞の目は赤ちゃんのようにクリクリでつぶらだった

「アケぴー、ダンゴムシって大好き、鼻の無いところが好き、桃も好き、鼻がないから」

 

よく見ると獅子舞にも鼻が無く代わりにハートのアップリケが縫い付けてあった、アケぴーなりの拘りなのだろう

 

「人間は嫌いだ、きったない鼻をブラブラさせやがって一番嫌なのは魔女、絵本で見るやつ

あとピノキオも嫌だ!伸びるな!鼻!!

絶滅してほしい動物はゾウ!!しまってくれッ!!!鼻を!!!」

 

アケぴーは鼻息を荒く叫びだした、発作だ

 

「こんな!ものが!あるから!」

自分の鼻をつまみ勢い良く左右に引っ張る

 

右左右左右左左右左右左右左右左右左右左右左右右左右左右左左右左右左右左右左右左右左右左右

 

「千切れろ!千切れろ!」

 

すると鼻は引っ張れば引っ張るだけ伸び続けた

 

ニュイーーーン ニュイーーーン

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」

 

「いゃああああああああのびちゃううう!!!」

 

のびて紐状になった鼻を振り回すアケぴー、僕はそれを見て昔テレビで見た新体操のリボンを思い出していた

 

「うるさい!!餃子に閉じ込めるぞ!!!!」

 

俺はアケぴーを餃子に閉じ込めた

 

「皮の中で反省してろ!!」

 

少しすると静かになった、きっと疲れて寝てしまったのだろう

俺は餃子にプスプスつまようじを刺し空気穴を作った後、ベッドに横になった

 

明日、アケぴーの鼻は元通りになるだろうか?